Humanscaleのデザインスタジオがキノコの根元を使用してスツールを製作(パート3/3)
サステナブルなデザインに挑むHumanscaleのデザインスタジオ ― 3つの異なるサステナブルなアプローチにより、シンプルなスツールのデザインを再定義: バイオミミクリー(生物模倣性)、サーキュラーエコノミー(循環型経済)、バイオファブリケーション(再生医療技術)。 HumanscaleのデザイナーであるPaul Sukphisit氏がEvocative社のバイオファブリケーションの専門家らと協力し、菌糸体というキノコの根元でできたスツールを製作しました。 麻繊維の間で育つように菌糸体を並べ、それを後に複合物のブロックにすることで、スツールの形状を作ります。 菌糸体が時間をかけて成長し、各ブロックを接着させます。 この手法を拡張することで、サステナブルなファブリックやフォームなども作ることができます。 バイオファブリケーションのアプローチや、菌糸体を素材として選ぶに至った過程について、Paul氏に詳しく伺いました。
この挑戦で得られた最も大きな成果は何でしたか? 新しい製品をデザインする際、デザイナーは大量生産のこと、材料の費用対効果、生産スケジュールの制約について考えなければなりません。 典型的な製造工程は、射出成形、鋳造、機械成形のいずれかです。 菌糸体のスツール・プロジェクトに取り組んだことは、天然素材のことや、自然の成長特性を全体のデザインに活かす方法について考え直すきっかけになりました。
最終的な方向性はどのようにして決まりましたか? 多くの素材やプロセスと同じ様に、菌糸体にも固有の制約とメリットがあります。 厚みと大きさの制約があり、また管理された環境で効率よく育てる必要もあります。 まずはスツールの小さい部分から作り、成長速度と構造の結合性を最大化して、これらの特性を活かすというデザインの方向性になりました。 その後、自然の成長特性を利用し、すべての部分を結合させて最終的なスツールを完成させました。
この挑戦によって、ご自身のデザインの全体的なアプローチが何か変わりましたか? はい。 この挑戦により、素材に対する見方が完全に変わりました。 合成素材にこだわる必要はなく、天然素材も使用できるという考えを持つようになったのです。 必要なのは、その制約とメリットを知り、デザインの思考プロセスにそれを盛り込むことです。
詳細をお求めですか? このサステナビリティの挑戦の一部である、サーキュラーエコノミーとバイオミミクリーというスツールの他の2つのアプローチをご覧ください。